チャイコフスキー:「ひばりの歌」Op.39-22【ピアノ曲解説|楽曲構造と演奏ポイント|書込み楽譜付】

INDEX

概要

チャイコフスキーの「子どものためのアルバム」より。発表会などでも人気の楽曲の1つです。

ヒバリの鳴き声のような素早い3連符が特徴的です。速いパッセージになりますが、主題の各フレーズは1ポジション内で弾ききることができるため、譜読みもしやすく練習過程で上達しやすい曲ともいえるでしょう。指の独立が求められ、特に3と4の指のトレーニングにはうってつけです。 

細かな演奏ポイント

4分の3の拍子ですが3拍子の意識はあまりしすぎなくてもよいでしょう。ただ、2拍目で弱拍となり3拍目で強拍、とはなってしまわないように。4分の4として聞こえてしまうと、右手メロディのフレージングが単調でぶっきらぼうに聞こえます。

例えば2小節目1拍目など、左手のフレーズが新しく始まっているというのもあり、ややテヌート気味に圧力をかけるとリズムが安定します。4小節目は特にアクセントもあるためしっかり拍を感じてみてください。

終始一貫おなじテンポ感だとこの曲の魅力度はややさがってしまいます。3~4小節目にかけてなど、左手の和音と右手3連符が連続している箇所は明確に速度を速くしていき、フレーズのおわりあたりで一気に減速しましょう。類似の箇所がおおいので、ほぼすべて同様におこないます。 

反対に15~19小節目は焦らず、各小節変化する左手のハーモニーの違いをよく聞き分けながらそれぞれ音色を変える工夫を所々行うとよいでしょう。19小節目にさしかかるにつれしっかり減速をおこないます。 

28小節目からコーダ部となります。テンポは維持しますがあまり堅いイメージにならず、右手のオクターブ間の跳躍もリラックスして響きを楽しみましょう。

30小節目の右手連打もほとんどa piacere(自由に)で、速度の緩急を自由につけるとよいでしょう。最後の二小節間は減速せず一気に駆け降ります。

わからないときは・・・

本稿は、楽譜を自分で読むための視点を示すものです。

実際の練習設計や個別の疑問については、レッスン内で扱っています。

執筆者

ピアニスト・作曲家。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科高等教育課程および高等演奏課程を修了。在学中にブルーノ・リグット氏に師事。国内外のコンクールで実績を重ね、国内各種ピアノコンクールの審査員も務める。
ピアノをはじめ、ヴァイオリン、和声、音楽理論、作曲法など幅広い分野の指導を行う。演奏技術や表現・解釈の習得だけでなく、音楽構造の理解や創造的思考も重視した総合的な教育を実践している。
演奏家・作曲家としての経験を教育に活かし、フランス作品を中心とした幅広いレパートリーや作曲創作の現場で培った知識と技術を、生徒の学びに直接還元している。

公式サイト:https://masakazu-shiokawa.com

INDEX