ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-12 「別れ」【ピアノ曲解説|楽曲構造と演奏ポイント】

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 概要

動きのある五本の指を使った三連符の練習曲です。それぞれの指の独立性を要し、ある程度高度なテクニックを求められます。ただの単調なメカニックの練習と思わず、テンポ・ルバートを取り入れるなどして豊かな表現で演奏しましょう。

 対象レベル

  • 5本の指の独立が完成されており、速いスピードで指を動かすことができる。
  • 強弱法やアゴーギグなどの音楽的表現の実践方法についてある程度理解している。

 参考演奏動画

 練習のポイント

1〜4小節目

序奏の部分となります。メロディーのフレージングは記載のスラーの通りに行います。アクセントやスフォルツアンド、ディミニュエンドとラレンタンドを一つも見落としがないように意識して弾きましょう。

5〜12小節目

右手の三連符が連綿と続くメロディーです。4-5-4-3-4-3の指遣いはややコントロールが難しいので、転ばないように注意しましょう。音価がきちんと揃っているかどうか、拍毎に確認していく作業が有効です。

慣れてきたらなるべくメトロノミックになりすぎず、フレーズ内でのテンポルバートを意識できると音楽的表現が増します。アクセントの箇所をやや重めに弾くことで、安定感が増すでしょう。

各フレーズの始まりは弱拍から始まっているので、付属のアクセントは決して重くならないように。脱力を伴うことで、少し浮ついた音質ながらもルバートのかかった滑らかなフレーズとなります。

13〜16小節目

主題は微かに揺れ動くようなパッセージでしたが、ここではアグレッシブな流れとなります。しっかりとクレッシェンドで盛り上がりをつくり、アクセントからスフォルツアンドに変わったフレーズの始まりはアタックを強めで打鍵すると激しさを表現できます。

17〜24小節目

三連符は左手に移動し、右手は単音の旋律となります。レガートは単調にならないように、フレーズとダイナミクスを意識しながら弾くことに注意を向けましょう。

わからないときは・・・

本稿は、楽譜を自分で読むための視点を示すものです。

実際の練習設計や個別の疑問については、レッスン内で扱っています。

執筆者

ピアニスト・作曲家。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科高等教育課程および高等演奏課程を修了。在学中にブルーノ・リグット氏に師事。国内外のコンクールで実績を重ね、国内各種ピアノコンクールの審査員も務める。
ピアノをはじめ、ヴァイオリン、和声、音楽理論、作曲法など幅広い分野の指導を行う。演奏技術や表現・解釈の習得だけでなく、音楽構造の理解や創造的思考も重視した総合的な教育を実践している。
演奏家・作曲家としての経験を教育に活かし、フランス作品を中心とした幅広いレパートリーや作曲創作の現場で培った知識と技術を、生徒の学びに直接還元している。

公式サイト:https://masakazu-shiokawa.com

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