ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-15 「バラード」【ピアノ曲解説|楽曲構造と演奏ポイント】

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 概要

この練習曲中でも有名な曲の一つです。ポジションの移動がさほど多くない為、読譜が比較的行いやすく取り組みやすい楽曲となっています。

また「バラード」という曲の形式は非常に物語性が強く、場面ごとに雰囲気の切り替えが多々あります。どのようにストーリーが進むか想像してみると面白いかもしれません。

 対象レベル

  • 5本の指の独立に加え、親指のくぐらせ、飛び越え、ポジション移動など、基礎的なテクニックを習得している。
  • 指の配置を変えながら、連続する和音を瞬時に掴むことができる。
  • 8分の3のリズムの数えかたについての最低限の知識を持っている

 参考演奏動画

 練習のポイント

1〜18小節目

右手の和音は2種類しかないので、和音をしっかりと綺麗に揃えて弾けるのであれば難なく奏することができるでしょう。左手の16分音符は転ばないように指の一つ一つの独立を意識して練習しましょう。

8分の3拍子はやや取りにくい拍ですから、慣れてなければリズム・音価の不揃いが発生しやすいでしょう。右手が拍打ちの役割を果たしてくれるので、なるべく両手の練習を多くするとリズムの整合性を取ることができます。

19〜23小節目

重音が出てきますが、観察すると両手親指は常にソの音にあることがわかります。共通する音を軸にして端の音を探すようにすると記憶しやすくなる筈です。

指導の経験上、ここの8分音符を速く弾いてしまい、8分休符は長めにとってしまうという音の長さを読譜の段階で勘違いしてしまう人が多い傾向にあります。ここは全て同じ長さですので、見かけに惑わされずしっかりとカウントしましょう。

39〜46小節目

左手の和音が少々取りにくい箇所となります。表記の指番号は手の移動を最小限に押さえる面から見て合理的ではありますが、幼児のような手が小さい学習者にとっては少々手の大きさ的に苦しいかもしれないので、ポジションの移動を前提に楽な指の配置を考えてあげると良いでしょう。

わからないときは・・・

本稿は、楽譜を自分で読むための視点を示すものです。

実際の練習設計や個別の疑問については、レッスン内で扱っています。

執筆者

ピアニスト・作曲家。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科高等教育課程および高等演奏課程を修了。在学中にブルーノ・リグット氏に師事。国内外のコンクールで実績を重ね、国内各種ピアノコンクールの審査員も務める。
ピアノをはじめ、ヴァイオリン、和声、音楽理論、作曲法など幅広い分野の指導を行う。演奏技術や表現・解釈の習得だけでなく、音楽構造の理解や創造的思考も重視した総合的な教育を実践している。
演奏家・作曲家としての経験を教育に活かし、フランス作品を中心とした幅広いレパートリーや作曲創作の現場で培った知識と技術を、生徒の学びに直接還元している。

公式サイト:https://masakazu-shiokawa.com

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