ブルグミュラー:25の練習曲Op.100-5「無邪気」【ピアノ曲解説|楽曲構造と演奏ポイント】

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 概要

音階練習のための楽曲です。多少の指の配置換えはあるものの、仕組みがわかりやすく比較的規則性があるため、初めて間もない段階でも取り組みやすい楽曲となっています。

 対象レベル

  • 右手親指のくぐらせ、飛び越えなど、音階を弾く時の滑らかなポジション移動を習得している。
  • 5本の指をそれぞれ独立させた上でレガート奏法ができている。

 参考演奏動画

 練習のポイント

1〜4小節目

1小節目の右手の音階は、拍毎に隣接した鍵盤を1-4で弾くため手を縮めます。音符読みが未だ苦手な学習者はそこだけに着目すれば、後はポジション内においては指番号を見ることで楽に譜読みができるでしょう。

拍子感はなるべく三拍子の強—弱—弱になるように。拍子ごとに手首を振って拍をとっているならば良くない癖がつくので止めましょう。手首は固定かつ力は解放させ、直線上に手が移動するような動きをもってレガートで演奏します。

3小節目では親指のくぐらせが出てくるので、くぐらせが発生する直前の指番号(ここでは3)をしっかり認識することでスムーズなポジションの移動が行えます。

5〜8小節目

臨時記号が出てきます。5小節目は指遣いがイレギュラーとなっています。なぜそのような指番号になるのか理由を知ると、後々の曲にも活かせます。(親指で黒鍵を弾くことを避けるため)

10〜13小節目

同音の鍵盤を打鍵しながら、指番号を変えることによって位置移動を行える箇所です。指番号をしっかり認識しながら仕組みを知れば、左手が単純な伴奏ですのですぐにでも両手奏を行える部分です。

12、13小節目は直前の右手のパッセージが一オクターブ上にあるだけなので、新しく音符を読もうとせず、同じ動作を一オクターブ上で行うようにすると譜読みにかかる時間を削減することができます。

スタッカートとレガートの位置にも気を付けましょう。

14〜17小節目

下行する音階、上行する音階、同音打鍵を行いながら位置移動をしていく部分と、今までの復習のような箇所です。それ以前がきちんとできていれば、大して難しいパッセージではありません。

左手の和音は手の移動を伴うので、右手を弾いている間左手は休符をただじっと待つのではなく、休符を利用して予め次の動作位置に手を移動しておくことでスムーズな演奏が可能となります。

わからないときは・・・

本稿は、楽譜を自分で読むための視点を示すものです。

実際の練習設計や個別の疑問については、レッスン内で扱っています。

執筆者

ピアニスト・作曲家。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科高等教育課程および高等演奏課程を修了。在学中にブルーノ・リグット氏に師事。国内外のコンクールで実績を重ね、国内各種ピアノコンクールの審査員も務める。
ピアノをはじめ、ヴァイオリン、和声、音楽理論、作曲法など幅広い分野の指導を行う。演奏技術や表現・解釈の習得だけでなく、音楽構造の理解や創造的思考も重視した総合的な教育を実践している。
演奏家・作曲家としての経験を教育に活かし、フランス作品を中心とした幅広いレパートリーや作曲創作の現場で培った知識と技術を、生徒の学びに直接還元している。

公式サイト:https://masakazu-shiokawa.com

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